キック・スネア・タム・トップの各点をマイキングし、位相管理とバランス調整まで含めて収録しました

ドラムのレコーディングを担当しました。キック、スネア、タム、トップ(オーバーヘッド)と、各楽器にそれぞれマイクを立てるマルチマイキングでの収録です。
ドラムは1本のマイクで録れる楽器ではありません。低域の芯を担うキック、曲の輪郭を決めるスネア、フィルの表情をつくるタム、そしてキット全体の空気感とシンバルを受け持つトップ。それぞれ求められる帯域も距離感も違うため、点ごとにマイクを選び、位置を決めていきます。
マルチマイキングで最初に詰めるのは位相です。複数のマイクが同じ音源を拾う以上、マイク間の距離差がそのまま位相差になり、まとめたときに低域が痩せたりスネアの芯が抜けたりします。スネアのトップとボトム、トップとキットまでの距離関係を測りながら、必要に応じて極性を反転させ、実際に混ぜた状態でモニターして詰めていく。ここを丁寧にやるかどうかで、後の作業の自由度がまったく変わります。
もうひとつ大きいのが、そもそもの楽器の状態です。ヘッドのチューニング、ミュートの量、シンバルの鳴り。マイクや後段の処理で補正するより、鳴っている音そのものを目指すサウンドに寄せたほうが結果は良くなります。プレイヤーの叩き方や曲調、そして最終的にどんなサウンドに持っていきたいのかを伺いながら、こちらからも「このタムはもう少しミュートを入れてみましょうか」といった提案をして、探りながら録っていきます。
そして技術と同じくらい大事だと考えているのが、現場の空気です。ドラムは体で出す楽器ですから、演者が固くなればそのまま音に出ます。ブースに入ってもらう前の雑談、テイクの合間の一言、うまくいったときにきちんとそう伝えること。緊張させない声がけを心掛けています。リラックスして叩いてもらった一発が、結局いちばん良いテイクになることは少なくありません。
バンドのレコーディング、楽器単体の収録、整音までご相談ください。
| 実績日 | 2026.07.27 |
|---|---|
| カテゴリー | 音声・音響 |
| 担当範囲 | 音声技術担当(マイキング設計・レコーディング・バランス調整) |